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【あなたのプランB】6. グローカル姉

グロ姉

プランBとは「代替案」という意味の言葉です。

キャリアにおいて良質なプランBを持つことはとても重要です。

プランBがあれば経済的・精神的な余裕が生まれ、プランAにも良い影響がでます。

プランBの重要性は別の記事で説明していますのでこちらを参照ください。

プランBトップ プランBのすゝめ

プランBの形は人によって異なり、「転職」や「英語」などのスキル・資格でもあり得ます。

中には自分が準備するべきプランBとは何か、どうやってプランBを考えれば良いかわからないという人もいるでしょう。

そこで様々な方に「あなたのプランB」は何かをお聞きし、皆さんの人生におけるプランBの考え方の参考にしてもらおうと思いました。

今回は、外資系IT系企業に入社し、転職を経て日系企業の人事系部長を務め、Twitterのフォロワー1.5万人を誇るグローカル姉さんあなたのプランB」について書いていただきました。

皆さんがプランBを考える上でとても有益な情報ばかりなのでぜひ参考にしてください。

1.グローカル姉さんのキャリア

はじめまして。グローカル姉と申します。

私は、新卒で外資系IT企業に入社し、その後外資系2社を含めた合計3回の転職を経て、現在は一部上場の日系メーカーで組織風土改革やダイバーシティ&インクルージョン推進・働きがいに関する責任者をしています。

プライベートでは今年アメリカの大学に入学する一人娘がいます。娘は中2から単身で海外留学しているのですが、もう大学生にもなりますので、子育ても完全に卒業し、今はどっぷり仕事を楽しんでいる状況です。

そんな中で本業でも社外においても沢山の若い方のキャリアや転職に関する相談を受けることが多いのですが、私の過去の経験が何かしらのお役に立てればと思い、イシコさんからのお話をお引き受けしました。

2.グローカル姉さんにとってのプランB

プランAは当然のことながら「本業」のことを意味されていると思うのですが、プランBと聞いた時、「私は本業以外に何をして来ただろうか?」とふと考えました。

本業が大好きで、それを紆余曲折ありながらも楽しみつつやって来た積み上げで今があるのですが、プランBと呼べるものが果たしてあっただろうか?

そんな事をふと考えていた時に、仲の良い知人から「自分の判断軸を決めていて、ここでの成長ができないと思ったら、次々と成長の場を求めて行くってなかなか出来ないことじゃない?」と言われ、「これが私のプランBだ」と気づきました。

思い起こせば、私の「プランB」は新卒で入った会社での「希望外の配属」からあったのかもしれません。

新卒で入社した会社は、当時は職種別の採用ではなく、新人研修後に配属がされる流れとなっていました。当時の私は営業職を強く希望していました。

面接時の感触も良く、絶対に営業だと思っていたのですが、想定外のシステムコンサルタント配属。当時の私はITスキルも皆無だった上に、同じ部署に配属された同期は当時言われていた「ITオタク」。

一番就きたくないと思っていた職種でした。その瞬間に「寿退社で辞めよう」と心に決めました(笑)。

実際に当時は遠距離恋愛をしていたことと長く働くイメージなど一切持っていなかったので、まあそこそこ働いたら良いかと思っていた甘ちゃんでした。

ただ、あるオタク同期のたった一言で私の<プランBスイッチ>が入りました。

「お前はさ、理系でもないし、なんでこの配属になったんだろうね。大変だねえ。」

これを聞いた瞬間に、ものすごい悔しさで涙が込み上げて来ました。そして「絶対に見返してやる!辞める時に『辞めないでほしい』と言われ引き止められつつ、惜しまれて辞める人材になる」と決心した瞬間でもありました。

その後、私が社内異動する時にも転職する時にも「惜しまれて辞める人材になる」を常に念頭においています。

そしてそこでこれ以上自分の成長が出来ないなと感じた時に次の活躍の場を求める-を繰り返してきました。

「惜しまれて辞める人材になる」と言うと、さらっと流れてしまいますが、これは結局は日々の積み重ねが必須となります。

新卒の希望外の配属後の私は、寿退社を2年後と決めて、その瞬間までに「辞めないでほしい」と言われるためだけに頑張っていました。

多少打算的であり、単なる自分の「プライド」のためだけだったかもしれませんが、「辞めないでほしい」と言う言葉をもらうために必死になって先輩や上司について行きました。

学生時代からITスキルを持っていたら苦労しなかったのかもしれませんが、その習得にも基礎がないために時間を要しましたし、その関係で、ストレスで体調も崩して体重が30Kg台に突入したこともありました。

今考えたら、結構危ない働き方をしていたかもしれませんが、2年の間で期待以上の結果を出して、惜しまれて辞めるためにはそうしなくてはならないと取り憑かれたようになっていたようにも思います。

とは言え、営業に配属されている同期を恨めしく思い、何も成果が出ていない段階から「営業に異動する方法はないか?」とも考えていました。

また、「どうせ辞めるんだし、そこまで頑張らなくてもいいか・・・」と思うことも正直何回もありました。

ただ、会社にとって必要だと思われたい・そういう存在で居たい気持ちが強く心にあり、「あいついなくなっても大して困らないね」「足手まといだったから辞めてくれてよかった」と思われたくないと言う気持ちが私を奮い起こしていました。

結果として、海外に行くことになったこともあり、2年半後に寿退社をしました。

そして「辞めないでほしい。海外でのポジションも用意するから」と<惜しまれて辞める人材>となって、会社を去りました。

当時の諸事情もあり実際に海外でのポジションは得ることなく、その国では専業主婦をしたのですが、新卒入社後のこの2年間が今のキャリアや仕事に対する向き合い方に繋がったのは間違いありません。

そして専業主婦の2年間もプランBをさらに発展させるきっかけになりました。

とにかく走り続けた2年半であった事と、海外での結婚生活ということもあり、最初の半年くらいは仕事からの開放感と生活で慣れることでゆったりと流れる時間を楽しんでいました。

ところが、徐々に「私、こんなとこで、こんな生活をしていていいのだろうか。このまま私の人生って仕事をすることなく終わるのだろうか」と考える時間が増え始めたのです。

そんな時にタイミングが重なり、日本への帰国が決まりました。退職してから2年ほど経った時でした。私の帰国を偶然知った新卒時の採用をしてくれた人が「帰国したなら、中途枠でもう一度受けて見たら?」と連絡をくれました。

そうやって再入社を果たしたのですが、この時ほど、<惜しまれて辞める人材>を意識して結果を出して辞めてよかったと思ったことはありませんでした。

再入社してからは、本当に仕事が出来ることへの有り難みを感じながら、仕事をしていました。

流石に辞める日をセットして考えはしませんでしたが、いつ辞めることになっても「いてもいなくてもいい存在」ではなく「離れることを惜しまれる存在」であることは意識していました。

3. プランBを考える上で影響があったもの・人

直接の影響があったのは前述の通り、「新卒時の希望外の配属」です。後は海外での専業主婦経験

この2つは大きかったと思っています。これらの経験から「惜しまれて辞める人材になる」という発想を持った訳ですが、これは別の見方をすると「いつでもどこでも働ける人材になる」であると思っています。

ですから、常に市場価値も意識することに繋がっています。実際にそうすることで、市場価値が高まっていたようで、私の3回の転職はいずれも声をかけてもらった形のものです。

更に、それに追加して、「プロ意識を常に持ちながらベストを尽くし、結果を残す。やり切る。」ことを意識するようになったのも私の<プランB>に影響があったと思っています。

私がその考えを持つようになったのは、ある社長との出会いでした。

その社長とは、外資系IT企業で再入社した後の社長の一人です。当時としては珍しく40代で社長となった彼は大型合併後の会社をうまく1つにまとめ、業績もV字回復させ、徹底した現場主義で社員からの圧倒的な信頼を得ている人でした。

幸運なことに当時の仕事柄、彼と直接プロジェクトに関連したりやり取りする関係でした。

今も彼は敏腕経営者として活躍されていますが、その彼の仕事や人(社員)への接し方を真横で見させてもらいながら、ただ何かの成果を残すだけではなく、常にプロ意識を持って仕事をして、人徳も積み、良い意味での”人たらし”とは?という事を考えるようになりました。

やがて、おこがましいですが、彼の在り方が私の目指す姿となりました。

その彼は、当時の会社として彼がすべきことを「やり切って」、去って行きました。ここには色んな事情がありました。

詳細は書けないのですが、彼にとっても社員にとっても非常に辛い「別れ」ではありましたが、彼はその後の会社が歩むべき道をしっかりと残して、次のステップへと進んで行きました。

その彼の姿を見て、また、会社を去った後も交流を持たせてもらいながら、「やり切る」ことと自分の成果をもとに次に必要とされる場所に新たな成長と活躍の場を求めることの大切さも知りました。

だらだらと同じ場所に留まることは組織や会社にとっても自分にとっても何も良いことはないし、市場価値も高められない、だから動き続けようーそう決心しました。これは今も私の根底にあり、それがプランBなのだと思います。

そして、何か自分が迷った時には、常に「彼ならどういう行動を取るだろう」と考えて、自分の判断軸にもさせてもらっています。

4. これから持っておきたいプランB

これから持っておきたいプランBは、大きく2つあります。

  1. 子育てが終わった後の新たな仕事との向き合い方を考える
  2. 今の会社(プランA)以外での仕事の幅を広げる

この2つです。

自己紹介でもお話しした通り、私の子供はもう大学生で、かつ海外なので、物理的に近くにもいないので、正直何も心配することがなくなります。

そのため、様々なリソースが自分のために使えるようになりますので、今でも大好きな仕事ですが、心底楽しめるのではないか?と思っています。

子どもに恥じないように仕事はしてきたつもりですし、これからもそこは外せません。その上で、もちろん子どもも大好きですが、子どもに向けていた意識や愛情を仕事や社員に向けてより一層力が入れられそうな気がしています。

また、最近は秋に出版予定の本やらTwitter経由など、外からも色々と声を掛けてもらうことが増えてきました。

本業と関連のある仕事(組織風土改革・ダイバーシティ・働きがい等)に関連した繋がりもあります。

そう言った中で、単なる一企業だけで留まるのではなく、それ以外でも何かできればと考え始めています。

コロナ禍で会社での働き方も変わりつつあり、この辺りに対する時間も取れるようになる日もそう遠くないでしょう。

その時に、有料であれ無料であれ会社以外での自分の力と時間を使いたいと思っていますし、そのためにも本業での成果と実績を積んで、会社には「これだけやっているから他の仕事してもいいですよね?」と言えるようにし、会社外には「この規模の会社でこれだけの実績があります」と言えるように頑張りたいなと思っているところです。

私は他人から見たらキャリアをしっかりと考えて積んできてると思われるのですが、偶然の積み重ねで今に至っていて、意識して今のポジションまで来たわけではありません。

寿退社し、一度会社を辞めて、産休・育休でしっかり1年お休みをいただいて、管理職になる気はさらさらなかったのに、気づけば10年以上管理職をやっていて、転職も全くする気はなかったのに3回もして4社目で働いて・・・全てが想定外です。

ただ、<惜しまれて辞める人材になる>と決心し、自分がやり切ったと感じたら、次の成長の場を求めて動くと言う無意識で行っていた<プランB>のおかげで、今があるのだなと思っています。

これからもそんな感じで、あまり自分のキャリアを難しく考えすぎず、目の前の自分がチャレンジしたい事に真摯に取り組みながら、これから持っておきたいプランBを意識して楽しく仕事ができればと思っています。

5. まとめ

「惜しまれて辞める人材になる」

今回は、こちらの言葉がグサッと刺さりました。。。

言葉で言うのは簡単ですが、これを実現させるにはウルトラCなんてものはなく、日々の積み重ねが全て。

しかも、グローカル姉さんの場合は、寿退社・産休・育休などの人生のイベントが続いても、常に「惜しまれて辞める人材になる」ことを意識して実現させ続けたことが、ある意味プランBとして機能していたのかなと読んでいて感じました。

 

話は飛びますが(順序が逆ですが笑)・・・グローカル姉さんには、僕自身から5月末頃に寄稿をお願いしたことが最初のDMのやり取りでした。

これまでの三村社長、針鼠さん、Wamiさんと、寄稿をお願いした人は、もともとやり取りが多かった方たちへのオファーでしたが、どうしてもツイッターのお姉さん的な存在のグローカル姉さんにお願いしたいと思い、連絡を差し上げたところご快諾頂いて今回の企画に至っております。

「惜しまれて辞める人材になる」というご本人の実体験からにじみ出る強い想いに振れられただけでも、僕自身も刺激と学びの多い記事となりました。

秋には出版も控えている中、お受けいただき重ねてお礼申し上げます。

ぜひ、近いうちに直接お会いできる日を楽しみにしております!!

6. この記事を書いた人

グローカル姉

新卒で外資系IT企業に入社し、その後外資系2社を含めた合計3回の転職を経て、現在は一部上場の日系メーカーで組織風土改革やダイバーシティ&インクルージョン推進・働きがいに関する責任者を務める。

PHPより2020年秋出版予定。

ツイッター:https://twitter.com/glocaleducate

7. あなたのプランB

この記事を読んでわかるように、成功している人の多くはプランBを常に考えて行動しています。

強力なプランBがあることでプランAはより輝きます。

副業(プランB)という副収入があるから本業(プランA)の選び方が変わる、転職の選択肢があるから本業でも挑戦できる、英語を勉強すれば仕事、生活の幅が広がる。

自分に最適なプランBを考えて、人生をより豊かにする生き方を見つけましょう。

「プランBのメリットとは何か?」「どうやってプランBを考えて良いかわからない」という人は、まず僕が説くプランBを読んでみてください。

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