第23回の「あなたのプランB」、今回は、公務員から民間企業に転職したというキャリアを持つやとよんさん(@yatoyon)に書いていただきました。
公務員と民間企業の両方を経験したやとよんさんならではの考えをしっかり読み込んで、皆さんのキャリアに活かして欲しいです。
僕が提唱する「プランB」の大切さについてまだ記事を読んでいない人は、別の記事で説明していますのでこちらを参照ください。
プランBのすゝめプランBの形は人によって異なり、「転職」や「英語」などのスキル・資格でもあり得ます。
皆さんもやとよんさんの言葉からたくさんのものを吸収してください。
目次
1. やとよんのキャリア
はじめまして。やとよんと申します。
Twitterでは3月までは公務員として、4月からは民間として発信をしていています。まさかイシコさんのプランBに僕のような普通の人が登場させたいただけるなんで夢にも思っていませんでした。
実は発信を始めた5月ごろにイシコさんから「フォロワー数が1万人超えたら寄稿してください!」と言っていただき、当時は1,000名程度だったので2年ぐらいは実現出来ないと思っていました(イシコさんすいません…)
Twitterでの発信は嬉しいことが多い反面、悲しくなることや落ち込むこともありましたが、ここまで Twitterを続けてこられたのもプランBに出たい!という気持ちがあったからなので、この素敵な機会にお話しをさせて頂けて本当に嬉しいです。
私のキャリアは本当に平凡で偏差値50程度の大学卒業後に一旦は民間企業にて勤務しました。その後、家庭の事情等もあり地方公務員に転職しました。そして、下記の投稿でも報告しましたが4月から民間に戻って働いています。
【ご報告】
転職活動を終了しました。4月から民間に転職して東京に進出します。地方公務員からの転職で不安ばかりでしたが、最終的に6社から内定を頂きました。Twitterの皆さんにもたくさん相談に乗って頂きました。ありがとうございます。東京には友人が少ないので4月からも仲良くしてください💡— やとよん (@yatoyon) January 31, 2021
誰もが憧れる大企業でも外資系でも官僚でもない「普通の奴」がどんなプランを描きながらこれまで歩んで来たのか。誰か1人の人にでも参考になればと思い文章を打っています。
これまでの経歴は少し珍しいかもしれません。戦略的にこのようなキャリアを歩んでいるわけではなく、色々な偶然が重なった結果です。ただ、有難いことにこのキャリア形成に興味を持っていただいていると思うので、その辺りもお話しさせてください。
また、これまでTwitter上で身バレ防止のために少し時系列をぼやかしたり、投稿内容をふわっとさせていました。その点はご了承ください。
2. やとよんにとってのプランB
存在しなかったプランB
公務員時代の私にとって入庁して半年間はプランBは存在しませんでした。一般的に公務員という職業は
- 定年まで勤めるのが当たり前
- 副業禁止(最近は少しずつ可能な自治体が増えてきましたが、認められる内容がかなり限定されていたりします)
- 転職する人は皆無
- キャリアプランなんて考えたことがない(定期的な人事異動に全て左右されるため)
こんな状況になっています。もちろん公務員といっても範囲が広いので例外はありますが、8割以上は当てはまるのではないでしょうか。そんな環境で仕事をしていたので、私も役所に入ってからの半年間は「このまま40年以上この役所に通って同じような人間関係で生きていくんだな…」と思っていました。
実際に皆さんの周りの公務員の方を見てもらってもわかりますが、基本的には「定年まで勤務すること」が最もスタンダードな職業かと思います。
ただ、最近は少し風向きが変わってきており、公務員でも副業が解禁されてきたり、転職サイト登録者数が過去最多になったりとプランBを考える人が増えてきました。
そんな私が徐々にプランBを意識し始める経緯をこれまでの役所でのキャリアを振り返りながらお話ししていきたいと思います。
プランBを考え始めたきっかけ
1. 公務員は市場価値がない
役所に入って半年が経った頃、友人たちとご飯に行きました。その際に民間でバリバリ働く友人から
「お前は公務員になったからもう今後のキャリアは絶望だよな。公務員から民間に行きたくても市場価値が低いし、官僚でもない限り無理だろ…。ま、安定してるしのんびり仕事すればいいよな!羨ましい!」
と言われました。友人をフォローしておくと、彼は決して公務員が嫌いでも馬鹿にしているわけでもありません。あくまで彼が抱くイメージとして語っただけです。
*プランBに寄稿するにあたりこの話を友人にしたら「悪者にしないでくれよ〜」と言っていました。笑
当時の私は「公務員(地方)でもいざとなれば転職できるだろ」ぐらいに思っていましたので、彼の言葉が衝撃でした。
下記のツイートは実際の転職活動で面接官に言われた言葉です。こういった感覚を持った人がいることも現実ですね。
ある企業の面接で
「なんで公務員辞めるの?9-5時で土日祝完全休みだし、成果求められないからゆったり働けるし、年金も退職金も優遇されてるんでしょ?民間のスピードで働ける?笑」
と言われて色々言いたいことあるけど、グッと堪えて最後まできちんと面接を受けた自分を褒めてあげることにした。
— やとよん (@yatoyon) October 8, 2020
2. 職務経歴書に書くことがない
友人の言葉から私は試しに転職活動をしてみることにしました。本気で転職する意思があったのではなく「公務員」でもそれなりに通用することを自分の中で証明したかったからです。
ただ、すぐに問題が起きました。職務経歴書に書く内容がないのです。
私は役所で1番の激務と呼ばれる部署にいたのでそれなりにハードワークしていました。ただ、日々の業務が多い+新人のため「与えられた業務をこなす」スタンスで仕事をしていました。
実際に転職エージェントと面談をしてみてもズタボロでエージェントの方から「書類を出してみても良いかと思いますが、ほとんど通らないですよきっと」と言われるほどでした。
*上記の言葉って衝撃で転職エージェントは求職者を転職させて企業から報酬をもらうので「転職活動をしてもらうこと」が第一歩としては必要なはずなのに、転職活動自体の可能性を無くしたわけですからね…(本音で言ってくれた優しい人とも捉えられますが。笑)
3. もっと自分の意見をぶつけろよ
公務員として今後のキャリアを少し考え始め、職務経歴書に書くことが思いつかず絶望していた時に上司から言われた言葉が「もっと日頃から自分の意見をぶつけろよ。つまらん働き方をするな」でした。
少し学生時代の話をすると私はずっと野球をしていて主将も経験しました。その他にも生徒会や応援団長や級長等、学生時代からリーダー的な役割をすることが多かったです。なので、自分の意見を周りに伝えたり、周囲を巻き込んで何かを実行したりすることが得意だし、好きでした。
ただ、役所に入ってからは遠慮して自分を出せずにいました。
「意見を言ったらうざいと思われるのではないか」
「言われたことを忠実に実行する職員が求められているのではないか」
そんな僕の性格を見抜いていた?上司からの強烈な一言で目が覚めました。
- どこか「他人事」として取り組んでいた仕事を「自分ごと」として当事者意識を持って取り組もう。
- 自分からどんどん提案して地域課題を解決しよう。
というモチベーションで仕事に取り組み始めました。
普段から下記のように、役所時代の上司の方々の素敵なエピソードを投稿していますが、激務かつ対外的な調整が多い部署だったので、仕事のできる人としても素敵な方が上司として配属されていたかと思います。
僕の上司の素敵なところは「少しお時間よろしいですか?」と相談すると
・手を止めて
・体をこちらに向けて
・目を見て頷きながら
・途中で要約をせずに
・最後まで聞いてから話始めることを毎回のように実践してくれる。
僕も後輩に対して同じことを心がけて関係が良好。ぜひお試しください。— やとよん (@yatoyon) November 22, 2020
役所で出会った素敵な上司
・進んで雑務をこなす
・絶対に話を遮らない
・話すときは手を止め顔を見て
・部下の良いところを周りに言う
・見えないところでフォロー
・上司の手柄は部下のもの
・まずはやってみな?と後押し
・責任は俺が取る→有言実行この上司達のおかげで素敵な役所人生だった
— やとよん (@yatoyon) February 11, 2021
(役所といっても色々な方がいます。Twitterの公務員アカウントの方々を見ると真逆の方の方が多いのかもという印象もあります。僕は本当に人に恵まれる運だけは持っていました。今でも感謝しています。)
プランB
これまで色々とご紹介させていただきましたが、私にとってプランBは「いつでも転職できる状態にしておくこと」です。
下記のツイートでも紹介していますが、他の役所で勤めている友人や知り合いで「今いる環境でしか自分の居場所はない」と思いこみ、メンタルダウンする人がいました。
民間・公務員を経験して気づいたこが、「安定」とは組織に依存せずにいつでも転職できる状態にすること。公務員は”安定”してると言われるけど組織に合わず、苦しくても転職できずに壊れる人達を多く見てきた。いつでも転職できる自分の価値を高めることが、安定に繋がりますね。おはようございます。
— やとよん (@yatoyon) December 12, 2020
そんな方々を見ていたので、自分がそのような状況になっても「いつでも違う場所で働くことができる」という経験を積むことで穏やかな精神を保つことができると思います。
残念なことに世間一般で「楽で年収が高い」と思われている公務員の世界でもメンタルダウンする方は年々、増えています。
転職する・しないはその人の環境や状況によって変わるので一概には言えませんが、「いつでも転職できる状態にすること」は誰でも持っておくと良い【御守り】だと私は思っています。
プランBによって変わったもの
まず、プランBを意識し始めてからは「仕事への取り組み姿勢」が180度変わりました。
これまでと違い、当事者意識を持って「自分ごと」として仕事に取り組むようになりました。
私の仕事は「危機管理・災害対策」だったので「自分が頑張ることによって1人の命が救われるかもしれない」という思いで地域や学校、企業、大学等と連携して様々な災害対策の事業を実施していきました。
休みの日にも講演会や勉強会に参加して知識取得をしたり、人脈作りにも励みました。「職務経歴書に書ける仕事をする」という出発でしたが、いつしか仕事へのスタンスが大きく変わっていきました。
特にソフト対策に力を入れていたので、多くの関係者を巻き込んで訓練や研修、啓発活動を新しく事業として作っていきました。
そこで重要になるのは、異なる世代や性別の方と関係を構築する「コミュニケーション能力」、多くの方の行動を促す「言語化して伝える力」です。
学生時代から人と関わることは好きでしたが、役所では「ご高齢の地域の町内会長」「子育て世代のママさん団体」「防災の研究者(大学)」など本当に様々な方と関係構築をしてきました。そこで上記の力を磨くことができたと感じています。
私が所属した部署は多くの方が想像する公務員とは違って非常に自由度高く、自分で企画立案し、役所の内部や外部の多くのステークホルダーの方を巻き込んで仕事をする経験をすることができたからこそ、今回の転職活動に繋がったのだと思っています。
有難いことにこれらの取り組みをNHKさんに密着取材してもらったり、民放局から取材を受けたり、地元のケーブルテレビには事業の取材や啓発関係で20回程度は出演させてもらえました。
そして、プランB「いつでも転職できる状態にすること」が徐々にでき始めたと実感してからは、更に色々なことに忖度することなく挑戦することができました。
上司に対しても自分の意見を更にガンガンぶつけたり、違うと思うことは「考えはわかりますが、こちらの方向で進めませんか?」といった感じで仕事に臨んでいました。
そんな私に対して最後まで意見を聞いてくれて、尊重してくれて、頭ごなしに否定することが一切なかった上司の方々のおかげで楽しく仕事をすることができました。
組織に忖度しすぎることなく、仕事を進めることができるのはプランBを持つことができている人の特権かと思っています。
3. プランBを考える上で影響があったもの・人
Twitterにかなり影響を受けました。
2020年1月頃から発信を本格的に始めましたが、その時は「民間に転職してみたいけど身近にそんな人はいないし不安」という状態でした。
知り合いの人材系の方に相談をすると「これだけ公務員でも色々やってたら民間にもいけるよきっと」と言ってもらえていましたが、ローモデルがいないので不安はなくなりませんでした。
公務員→公務員という方は割といますが、公務員→民間というキャリアを歩んでいる人で話を聞いたりできる人がいません。
そんな時にTwitterに出会い、理想とするキャリアを描いている素敵な方々と出会うことで頭の中で「いつか転職したい」と思っていたプランBを本格的に実現するために動き出すことにしました。
Twitterは良い意味で投稿している方の「人間性」がわかるSNSだと感じています。ブログやサイトと違って個人のキャラが分かるからこそ、目標としたり応援したくなるのだと私は思います。
4. やとよんがこれから持っておきたいプランB
4月からは民間企業にて勤務しているので現在の仕事(プランA)で早く結果を出せるように一生懸命に努力していくことが最優先です。
ですが、せっかく副業ができる企業に入社したのでこれまでの自分の経験や体験が誰かの役に立てるのであれば発信を続けていきながら、自分で稼ぐ経験もしていくつもりです。
これは公務員から転職した私がいうとポジショントークになってしまいますが、これからの時代は公務員であってもプランB(いつでも転職できる状態にしておくことや副業、職場以外での活動等)を持っておくとより良い人生を歩めるかと思っています。
先ほども紹介しましたが、私の知っている公務員の方でも精神的に病んでしまう方はいました。様々な要因がありますが、その一つに「この組織でしか生きていけない・ここでしか居場所がない」と思うからこそ悩んで休職してしまうかと思います。
公務員は安定していると良く言われますが、今後は本当にどのような世の中になるのか想像もつきません。人口減少や税収減で苦しい自治体はどんどん増えています。これまでのような年収や退職金が必ず手に入るとは限りません。
「いつでも転職できる状態にしておくこと」
が本当の安定に繋がると思っています。
決して転職することが絶対に良いことだとは思いません。1つの企業で勤め上げることの価値は転職が当たり前の世の中になったからこそ上がったとも言われています。
ただ、選択肢がない状態でしがみつくのではなく、選択肢がある中で現職に留まり、更に経験を積み重ねていく人が最も安定していると思います。
私は特にすごい経験や結果があるのではないので偉そうに聞こえてしまったら申し訳ありません。少しだけ特殊なことを経験した人の言葉だと思って聞き流してください。
最後に少し宣伝になってしまいますが、今後は官民に特化した転職サイトを開設しました。
【官民転職チャンネル】https://yatoyon5155.com/
私は転職活動時に「公務員からの転職体験談がネットにない」という不満を味わいました。参考となる情報がないので転職活動を進める上で手探り状態でした。
そこで自分で様々な人の転職体験談が集まったサイトを作りました。
ここでお願いなのですが、公務員⇄民間の転職経験がある方で記事を寄稿してくれる方がいましたらTwitterのdmにてメッセージをください。
「公務員から民間」「民間から公務員」「公務員から公務員」の転職活動経験者の方々を想定しています。
ぜひよろしくお願いします。
これからの時代は公務員と民間の垣根はどんどん無くなっていくと思います。それぞれの人材が流動することでより良い世の中になっていくことを願っています。
最後までご覧いただきありがとうございました!
5. まとめ
今回は「あなたのプランB」で初めて、元公務員の方に寄稿頂きました。
最初にTwitterでやり取りをさせていただいた頃はまだ公務員でしたが、この4月から新たな環境で挑戦されているやとよんさんのこれまでのキャリアの一部を拝見させていただきました。
僕も常日頃発信していますが、「いつでも転職できる状態にしておくこと」こそが最強のプランBだと思います。
やとよんさんも元々はリーダー気質だったにもかかわらず、世間の先入観の強い公務員像に囚われていた時代があったと語ってくださりましたが、どんなに小さなことでも「自分ごと」として捉えることが、主体性を持つ第一歩だと改めて気づかされました。
今は、転職先での仕事(プランA)に全力を尽くす・・・その一方でしっかりとプランB(官民転職チャネル)を立ち上げて、虎視眈々と準備を進めているやとよんさんの今後の活躍に目が離せません!
この度は改めて記事をご寄稿いただき重ねてお礼申し上げます。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
6. この記事を書いた人
やとよん
Twitter:@yatoyon
公務員から民間企業に転職した経験を活かして官民の違いやそれぞれの良さを発信中。
「公務員から民間」「民間から公務員」「公務員から公務員」の転職活動経験者の体験談を紹介する【官民転職チャンネル】https://yatoyon5155.com/ を解説。
7. あなたのプランB
この記事を読んでわかるように、成功している人の多くはプランBを常に考えて行動しています。
強力なプランBがあることでプランAはより輝きます。
副業(プランB)という副収入があるから本業(プランA)の選び方が変わる、転職の選択肢があるから本業でも挑戦できる、英語を勉強すれば仕事、生活の幅が広がる。
自分に最適なプランBを考えて、人生をより豊かにする生き方を見つけましょう。
「プランBのメリットとは何か?」「どうやってプランBを考えて良いかわからない」という人は、まず僕が説くプランBを読んでみてください。
プランBのすゝめ
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