第19回の「あなたのプランB」、今回は、2つの本職としてコンサルとカメラマンの複業=DUAL WORKしているONE PHOTO代表のアライユウサクさん(@arai_yusaku) に書いていただきました。
「コンサル+カメラマン」という異業種をかけ合わせる働き方しているアライさんは、二つを「本業」としてしています。今までなかった新しい働き方を実践されているアライさんのプランBです。
みなさん熟読必須の内容となっていますので、お楽しみください。
※今回から、特別企画で「社会人1年目の方へのメッセージ」というコラムも加わっておりますので、就活生の方や若手社員の方はぜひご一読くださいませ。
僕が提唱する「プランB」の大切さについてまだ記事を読んでいない人は、別の記事で説明していますのでこちらを参照ください。
プランBのすゝめプランBの形は人によって異なり、「転職」や「英語」などのスキル・資格でもあり得ます。
皆さんもアライさんが提唱する「DUAL WORK」を学び取って、明日からすぐに行動してみましょう。
目次
1. アライさんのキャリア
株式会社INFINITY AGENTSという会社の新井勇作です。Twitter上ではアライユウサクとして発信しています。
弊社の主なサービスはコンサルティングと、ONE PHOTOという福業フォトグラファーを派遣する撮影事業です。
私自身がコンサルタントとフォトグラファーという2つの毛色の異なる仕事を両方本業として複業することで、時代に合ったしなやかな生き方を模索するための社会実験「DUAL WORK」をしている最中です。
そういえば、こうした活動をベースに参加した田端信太郎さんの田端大学で、働き方を面白がって頂いた結果、今年から株式会社田端大学校の取締役もさせていただく事になりました。
2. アライさんにとってのプランB
私はもともと、アクセンチュアという会社でキャリアをスタートさせました。
ハードワークを強いられる環境でしたが、可もなく不可もなく平凡なサラリーマン人生だったと思います。
世間では他所のコンサルティング会社と比較して色々と言われている会社かもしれませんが、アクセンチュアの中にはとてつもなく優秀なメンバーが多く、そういう人たちに囲まれながら、持ち前のバイタリティで賢さよりも体力で仕事をこなしていました。
そんな中、新しい趣味として一眼レフカメラを購入したのが2013年頃です。
それから休日に撮影をするようになってすぐ、友人の結婚式などの写真を撮影するようになりました。
それが案外評判が良く、紹介で友人の友人の結婚式まで撮影するようになりました。
振り返ると、カメラについても極めてコンサル的なアプローチを用いることで、上達が早かったとフォトエージェンシーを経営しはじめて分かりました。
写真には明確にセオリーが存在するので、その辺りをうまく抑えることで、いち早く仕事としてできるようになったのだと思います。
そして、自分自身が撮影を仕事にできることに気がつくと同時に、平日はサラリーマンとして働きながらも、休日に同じ様に写真が撮れる人を集めて組織化すればビジネスになるな。と気が付きました。
そこから、実際に複業で撮影の仕事ができるメンバーを集めて現在に至っています。
実際にONE PHOTOとしてサービスをローンチしたのは2015年です。
当時は今ほど複業が一般的ではなく、周囲からも家族からも白い目で見られましたが「複業が当たり前の時代になる」と考え、今では揶揄されることもなくなりました。
なおサービスローンチの際にはコンサルティング会社で働きながら、休日はカメラマンとしてONE PHOTOを大きくしていくこともできたかもしれません。
ですが、中核になるメンバーはある程度コミットメント高く仕事をする必要があると考え、自分はプランAとして持っていたアクセンチュアを退職して自分自身の会社をプランBをとして立ち上げることにしました。
最初、特段の勝算も売り先すらもないまま会社として立ち上げたので、初期は非常に苦労しました。
ですが、幸いコンサルティング業界で培ったスキルは複業する際に高単価の案件に携わる事ができるなど、非常に助けられました。
今でも個人的にコンサルタントとして複数の会社の取締役や、コンサル案件を請け負って仕事をさせていただいていますが、プランA時代に培ったスキルが、プランBを始める際に非常に助けになったと思います。
また、最近では写真の撮影先が自分のコンサル側のクライアント先になるなど、非常によい循環が生まれています。
自分にとっては両方を本業とするDUAL WORKスタイルを行うことが5年かかってやっと両方にメリットが得られるところまで来たと実感しています。
幸運なことに、私は趣味として始めたカメラや写真を本業としても扱うことができるようになりました。
これは偶然ですし、タイミングが良かったことが主たる要因と振り返っています。
では、どうやったら私にとってのカメラや写真のようなDUAL WORKの種を、このプランBの読者が見つけることができるのか?について、僭越ながら私見を述べさせていただきます。
単刀直入に言ってしまうと「色々と”真剣に”試してみる」以外にないです。
そして、その色々と試した中に自分が夢中になれるなにかを見つけることです。
断言できますがインターネットとSNSが日常に溶け込んだ今の時代ならば、その夢中になった何かは100%仕事にすることができます。
インターネットとSNSを通じて自分自身を発信して、お客様を見つけさえすれば、どんな趣味でも仕事として続けることが可能だからです。
大きく稼げるかどうか?は商材次第(私の写真撮影もビジネスの構造上大きくは稼ぎづらい商材です)ですが、生涯を通して仕事として続けられる仕組みは構築できる時代だと考えています。
だから、ある程度のめりこんで、自分に適性があるかないか?を見極めてください。自分の適性を識別する私なりの良い方法をお伝えします。
一つ目は、自分が真剣に取り組んで楽しいと思ってやっている裏側にある、泥臭い楽しくない一連のことも受け入れることができるなら、それは自分に適性があるという事だと思います。
私自身は写真撮影やレタッチといった自分にとって楽しいこと以外の地味な見積り書の作成、OK写真のセレクト、サーバへのアップロードや納品連絡、請求書の発行、売上回収などの仕事も「写真撮影に付随する一連の仕事」として引き受ける覚悟があります。
二つ目は、楽しいと思っている部分の作業で集中力が続き、眠くならないことです。
私は写真を真剣にやったときに、楽しすぎて眠くならず朝まで作業したり研究したことが何度もありました。
そして、今でも朝まで作業をつづけることも苦だとは感じていません。そのレベルまで真剣に試していると「あ、これ自分に向いているな!」と気付くことができると思います。
だからこそ是非、色々と”真剣に”試してみてください!
中途半端にやるよりは、ガッツリ3年やってみるくらいの感覚のほうが、自分のことをよく知る事ができると思います。
3. プランBを考える上で影響があったもの・人
自分自身、いつかは自分のビジネスを持ちたいと思っていました。
それは、コンサルタント時代に良く目にしたクライアント先の定年退職のセレモニーです。
私は日系金融機関にコンサルタントとして関わることが長かったのですが、クライアント先の60歳の誕生日の人に花束を渡して、簡単なスピーチをいただいて、勤務先から送り出す光景は忘れる事ができません。
会社のために身を粉にして40年近く一生懸命働いてきた人が、最後の日は簡単なセレモニーで会社員生活を終了する。
そこから先は嘱託社員となって安い給料に下げられるのか、はたまた自分で転職先を見つけて仕事をするのか?自分にはとても世知辛く、人生の意味、働くことの意味を考える光景でした。
この経験から、自分としてはいつか自分のビジネスを持つことが大事だと考える一方で、生涯現役を貫ける仕事を持つことも大事だと真剣に考えるようになりました。
その結果、複業として続けられる仕事にカメラマンを意識したのは大きかったと思います。
私自身、必要とされる限りはずっと体力の続く限り働き続けたいと思うタイプですが、それが強制的に打ち切られる会社および社会の仕組みは間違っていると今でも感じています。
それらを打開するためにも自分が自分の会社を成長させることに意味があると確信しています。
4. アライさんがこれから持っておきたいプランB
私自身がこれから持っておきたいプランBは、すでにわたしの中である程度出来上がった「コンサル+カメラマン」という異業種をかけ合わせる働き方のプランAをアップデートする事だと思っています。
具体的には、これまでの複数の本業を持つというDUAL WORK生活で得られた知見を、これから複数の本業に挑むDUAL WORKerにフィードバックしていく仕組みを構築することです。
今はまだ、どういった形での情報提供やサポートが最適なのか?自分でも考えながら進めている部分がありますが、自身のTwitterのフォロワーの方からの意見も参考にしつつ「本当に必要とするヒトの役に立つカタチ」で進めていきたいと考えています。
私自身手探りの中5年間続けたことで、やっと手触り感のある働き方ができるようになってきたと感じる場面が多々あります。
でも、もしそれが初期の段階で世の中に先人の知恵が溢れていたら、それを参考にしたりなぞることで、不安や苦労から開放される人がいて、複数の本業を持つ働き方に踏み出す人がより増えるとしたら、とてつもない価値があると思うのです。
少子高齢化にともなう労働人口の激減によるマクロのトレンドからも、この先複数の本業を持つDUAL WORKという働き方は、今よりも需要が高まると考えています。
わたしにとってはそれをサポートしていくことが、中長期でのプランBだと考えています。
5. 社会人一年目の皆さんにメッセージ
これまでに書いてきたことは社会人5年以上の、ある程度自社についても業界についても理解があり、慣れもあるような方に向けたメッセージとして書いてきた部分があります。
一方で、社会人3年目までのまだ自分のスタイルが決まっていない方には別のメッセージがあります。それは
「まずは3年で自社のトップチームまで駆け上がろう。」
ということです。会社員として働く以上、常に周囲の評価がつきまといます。
仕事のパフォーマンスもそうですが、社内での生活態度や果ては私生活まで、全てがサラリーマンは監視され、評価される側面を持っています。
では、自分がその評価される側から抜け出すためにはどうするか?それが、最速で入社3年程度でトップチームに昇格することです。
トップチームに明確な定義があるわけではないですが、「この領域は〇〇だよね。いつも〇〇頑張っているよね。」と、特定の分野でエースとして、またはエース集団として認識されることです。
自分がその領域にまで到達しておくと、多少の生活態度のルーズな部分などが評価の対象から外れます。
サラリーマンを「本業」として働く以上、自分の会社内でのポジショニングで良い位置を確保することは、その先の社会人人生でもっとも良い場所でパスをもらえることにつながります。
正直「本業」とか「副業」といった呼び方で仕事をメインとサブに分ける働き方は変わっていきます。
メインとサブではなく「全て本業」という働き方がこれからのスタンダードになります。そのときに、自分が立脚する領域については一流のプロである必要があるのです。
超一流ではなくて構いません。
きちんとValueをクライアントに提供できるプロである必要があります。
まずは最速でそこ(トップチーム)を目指しましょう。
6. まとめ
「そうだ、30歳超えたら、福業しよう」
そう語り、2015年には「複業が当たり前の時代になる」と見据えて、動き出していたアライさんに今回は寄稿頂きました。
僕自身、これまでは「プランA=本業、プランB=副業」という考え方で、あくまでプランBが本業であるAを支える形だと考えておりました。
しかし「コンサル+カメラマン」でプランAを2つお持ちのアライさんの取り組みを拝読すると、確かに今後はメイン・サブという区切りはなく、自分の領域においては複数であっても一流(超一流でなくても良い)を目指すことが令和の全会社員には必要なマインドになってくるのかもしれません。
社会人一年目の方へのメッセージにもありましたが、いきなり複業でアクセル全開というのは難しいかと思います。
そんな人はまずは「3年でトップチームに駆け上がる。話はそれからだ。」というのを意識してみると良いでしょう。
現在は、株式会社田端大学校の取締役も兼任されており、DUALどころかTRIPLE WORKERとなったアライさんの今後に目が離せません!
この度は改めて記事をご寄稿頂きお礼申し上げます。
いつかお会いさせていただける日を楽しみにしております。
7. この記事を書いた人
アライユウサク
Twitterアカウント(@arai_yusaku)
コンサルタントとフォトグラファーという2つの毛色の異なる仕事を両方本業として複業する「DUAL WORK」を行い、「複業で頑張る人」を応援
8. あなたのプランB
この記事を読んでわかるように、成功している人の多くはプランBを常に考えて行動しています。
強力なプランBがあることでプランAはより輝きます。
副業(プランB)という副収入があるから本業(プランA)の選び方が変わる、転職の選択肢があるから本業でも挑戦できる、英語を勉強すれば仕事、生活の幅が広がる。
自分に最適なプランBを考えて、人生をより豊かにする生き方を見つけましょう。
「プランBのメリットとは何か?」「どうやってプランBを考えて良いかわからない」という人は、まず僕が説くプランBを読んでみてください。
プランBのすゝめ
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